田中先生ご退職によせて

特集:田中淳センター長のご退職に寄せて

東日本旅客鉄道株式会社仙台支社 郡山土木技術センター
林博基
2020年3月1日

 私が最初に田中先生とお会いしたのは、2008年4月に田中先生が東京大学総合防災情報研究センター(以下、CIDIRという)設立の挨拶に、弊社の本社に来られたのが初めて でした。そのため、私が災害情報の分野に携わるのとCIDIRの設立が同時期でした。
 CIDIRでのライフライン・マスコミ連携講座が始まり、定期的に顔を合わせるようになりました。連携講座は、概ね毎月実施され、防災分野で先端を行く研究を行っている先生や国等で実務を担当されている方の講演を聞くことができました。田中先生の人望があるからこそ、実現できた講座でした。さらに、講座によっては、各社の取り組みや、災害発生時の対応についてディスカッションを行い、他のライフラインの対応について各社の担当者が知識を増やすと共に、各社の防災対策の強化に役立てることができました。
 2015年1月24日に東京大学武田先端知ビル武田ホールにて日本災害情報学会主催のシンポジウム「阪神・淡路大震災から20年―今、ライフラインはどうなっているか ―」が実施されました。私も登壇者の1人として出席しました。座長の田中先生のアイデアにより、ライフライン各社が事業(供給や運行)等を継続する会社等と停止する会社等があることを明確にしたことで、各社への理解が深まり、有意義なシンポジウムとなりました。
 最後に、センター長をご退任後も、体を大切にされつつ、引き続き防災への指導をして頂ければと思います。