田中先生ご退任への寄稿

特集:田中淳センター長のご退職に寄せて

東京電力ホールディングス株式会社
経営企画ユニット総務・法務室(防災担当)兼
東京オリンピック・パラリンピックプロジェクト統括室
矢田照博
2020年3月1日

  田中先生がご退任を迎えられるということで、寄稿のお声がけをいただきました。
 私が田中先生と初めてお会いしたのはCIDIRが発足して丁度1年を迎える2009年7月で、東京電力の非常災害対応に関する業務を担務することになり、毎月開催されるライフライン・マスコミ連携講座へ出席させていただいたことがきっかけです。
 ライフライン・マスコミ連携講座では、災害に対する研究内容の紹介をはじめ、全国各地で発生した様々な災害に対し、田中先生をはじめCIDIRメンバーの先生方がいち早く現地を訪れ、現地での被害状況やライフラインの復旧、マスコミや自治体からの住民への情報発信に対して住民がどう受け止めたのかなど、私たちの目線では気付かない住民目線に立った災害に対する復旧や情報発信への課題や提言をいただき、講座開催のたびに新たな気付きをいただきました。
 また、CIDIRを通じ各社防災担当者と毎月顔を合わせることでコミュニケーションが図られ、顔の見える関係を構築することが災害対応として重要と認識され、田中先生が相乗効果として期待されていたのではないかと思いますが、目論見通り大変すばらしい連携が発足当初から図られており、現在においても継続していると思います。
 東日本大震災後の2012年に異動のためCIDIRを離れることになりましたが、2018年に再び戻ってきた際、田中先生から「お帰りなさい、芳賀さん出戻り組がもう一人増えましたよ」と嬉しそうにお話された表情が大変印象的であり、私自身もとても嬉しかったです。
 昨年の台風第15号では千葉県を中心として大規模な停電が発生し、約16日間にもおよぶ長期間の停電を発生させてしまいました。
 当社として社内検証委員会を設置した際、社外有識者として参画いただいた田中先生より「災害時においては、状況が深刻な場所ほど、そこからの情報は上がってこないと考えるべき」とのご指摘をいただき、状況が分からないことを伝えることも情報発信であることに気付かされました。
 いよいよ7月より東京2020オリンピック・パラリンピック大会が開催されます。田中先生におかれましては、世界が注目する熱い瞬間を心置きなく楽しんでいただければと思います。私たちは、電力供給の観点から、大会をしっかりとサポートできるよう、グループ一丸となって全力で取り組んで参ります。
 田中先生、長い間大変お疲れ様でした。そして大変お世話になり、ありがとうございました。