東大防災訓練

防災コラム

定池祐季
2017年3月1日

 2016年11月7日に実施された「平成28年度本部防災訓練」では、全学災害対策本部設置および、学内各災害対策班との連携などに関する検証がなされた。今年度の訓練では、例年通り田中センター長は防火防災部長として災害対策本部に入り、鷹野副センター長は訓練で使用する緊急地震速報の設定・検証に携わった。加えて、鷹野副センター長と三宅准教授、関谷特任准教授、定池特任助教が昨年に続きコントローラー(ダミー部局)として、災害対策本部に被害報告や問い合わせをするという情報伝達の検証に参画した。また、学生2名は記録係として、写真やビデオ撮影に携わった。
 コントローラーとしての参加は2年連続であるが、今年度は報告をする側と受ける側の間で生じたいくつかの「行き違い」にハッとさせられた。その中には、①被害設定に関わった筆者の理解不足による設定の甘さによるもの、②「伝言ゲーム」の様に情報伝達ルートの途中で当初の意図と異なる話になってしまったと考えられるもの、③同じ言葉を異なる意味に取り違えたと考えられるものが見られた。②と③については、実際の災害でも十分起こりうるものであるため、情報伝達訓練を繰り返す中で「行き違い」の元を探り、一つ一つ改善していくことの大切さを改めて感じる機会となった。