北海道の災害ボランティア

防災コラム

定池祐季

2016年12月1日

 本年8月、北海道は4個の台風により、全道各地で被害が発生した。特に、台風10号の大雨により、十勝地方を中心に甚大な被害に見舞われた。
 筆者は9月上旬から10月下旬にかけて3度現地を訪問した。その中で印象的だったのは、災害ボランティアの活動である。北海道で災害ボランティアセンター(以下、VC)が立ち上がったのは、2000年有珠山噴火以来であり、社会福祉協議会が災害VCを開設・運営するのは初めてのことであった。経験豊富な「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議」のメンバーが入れ替わり立ち替わり、VCの支援に携わっていた。
 各地の活動を見てみると、Facebookを活用しボランティアが集まった南富良野町、町民ボランティアの活躍が目立った芽室町、役場と社協のスムーズな連携が印象的だった新得町、アットホームな雰囲気の清水町と、4者4様であった。
 筆者もわずかだが、ニーズ調査や給水、泥出しなどに参加した。泥の処理に四苦八苦する高齢者に「ボランティアが手伝いますよ」と言い、20リットルの水をよろよろと運び、泥の重さに「これは高齢者世帯には過酷だ」と痛感した。ふるさと北海道で水害ボランティアに携わるとは思ってもみなかったが、これから北海道で災害ボランティアの文化が育っていくことを願っている。