仙台生活支障調査の結果から

シリーズ:東日本大震災

地引泰人

2013年3月1日

東日本大震災の発生から2年が経過しようとし、新たな地域づくりや、産業や雇用の創出など、政策動向と社会的関心の多くは「復興」に向かっている。さりながら、被災直後の様子を検証し、今後の防災対策に資する知見を得ようとする継続的な試みが必要であることに変わりはない。東日本大震災では、津波避難や原子力災害への対応が注目されているが、大都市がライフラインなどの途絶により生活支障に見舞われたのも事実である。そこで、「都市災害」としての東日本大震災から、どのような教訓を得ることが出来るのかについて考えていきたい。
 今号の「シリーズ東日本大震災」では、紙幅の都合のため、話題提供として1つのデータを紹介するにとどめ、次号で考察を述べたいと思う。
 下図は、CIDIRが実施した仙台市の被災者の生活困難に関する調査結果の一部である(調査方法は「注」を参照)。横軸に生活用品を元通りに購入できるようになった「時期」をとり、縦軸は元通りに購入できるようになった回答者の「累積比率」を示している。被災から約2週間が経過した3月26日から31日にかけて、ようやく約半数の住民が「水・食品・ガソリン」を元通りに換えるようになってきたことが分かる。「オムツなどのベビー用品」が元通りに購入できるようになった時期に比べ、「介護用品」が手に入りにくい期間が長いのが対照的である。ほぼ元通りに生活用品を購入できるようになるのは、被災から約2ヶ月後の5月になってからである。【次号につづく

(注)調査対象は、地震が発生した2011年3月11日の震災後も仙台市内で生活し、かつ震災時に津波の被害を受けていない宮城県仙台市内在住の20歳~80歳の男女個人である。2012年2月17日から26日にかけてWebアンケート調査法で実施した。年齢層・性別について割り当てをし、最終的に989件の有効回答を得た。

図 仙台調査:生活用品を元通りに購入できるようになった時期

謝辞:本研究は、国土交通省国土技術政策総合研究所からの委託研究「水害時の状況に応じた避難及び避難情報提供に関する調査研究」の一環として行った。