ボホール島を訪ねて

防災コラム

鷹野澄

2014年3月1日

 フィリピンのセブ島の現地ツアーで人気なのが、ボホール島1日観光である。年末に家族でセブ島に滞在しボホール島観光をしてきた。
 フィリピンと言えば、昨年11月8日に上陸した台風30号(Haiyan)の甚大な被害を思い出すが、そのわずか約3週間前の10月15日午前8時12分頃(現地時間)に、ボホール島でM7.2の直下型地震が発生し死者222名の被害があったのである。セブ島は台風も地震も影響はほとんどなく、ボホール島も台風の影響はほとんどなかったが、地震によりレンガ積みの古い教会などが軒並み崩れていた。
 島の道路も復旧工事で一方通行が多く、目的地までは通常の倍の時間がかかっていた。島の中心にあるチョコレートヒルズの展望台も地震で損壊したままであったが、多くの観光客でにぎわっていた。現地のガイドさんは、「観光客が来てくれないと島の人々の生活が困るので、皆さん来てくれてありがとう!」と話していた。多くの民家は屋根が軽くて被害も軽かったせいか、被災地といっても悲壮感はあまりなく、有名な教会も壊れたままの姿で観光客のシャッターをあびていた。
 セブ島からボホール島までの約2時間の船の指定席はお客でほぼ満杯で、わが家族もほんの少しだがボホール島の人々への応援ができたかな、という想いのした1日であった。

損壊した展望台から眺めたチョコレートヒルズ