報告書 地域情報化政策の現状と課題

1988年3月1日発行

① 災害の概要

地域情報化は高度情報化の第2段階であるといわれる。情報化は「拠点的展開」から「面的展開」に向かい、社会のあらゆる側面において進行してきている。そこで利用されるメディアは高度化され「ニューメディア」が多く導入されるようになってきている。「地域情報化」には、地域産業、地域生活、地域文化そして行政サービスの情報化が含まれ、OA機器の導入が行なわれ、また、システム化やネットワーク化あるいはオンライン化が推し進められている。地域情報化は、何よりもまず、地域社会における産業のおくれを取り戻し、中央との経済格差を是正するものと期待される。

しかしながら、地域情報化に関する具体策が現在のところ、かなりあいまいである。それはきわめて内容の乏しいものとなり、とりわけ、長期的展望を持たず、場当たり的なものでしかない場合が少なくない。しかも、その計画作成に当たって、住民のニーズをあらかじめ十分に汲み取っていないことが多い。そのため.地域情報化の展開が上すべりのものとなり、地域に密着した情報化とは必ずしもなっていない。

② 調査の内容:

調査票郵送によるアンケート調査、全国の自治体(都道府県および人口5万以上の市すべて)463、昭和62年3月16日~31日、調査対象数:463、回収数:264、回収率:57%

③ 主な結果

地域の情報化が地域の活性化にどのように役立つかについて、各自治体にアンケート調査を行った結果において、全体では「大いに役立つ」が34.8%、・「まあ役立つ」が35.4%で、あわせて7割と高くなっている。都道府県レベルでは、「大いに役立つ」が51.7%と高く、「まあ役立つ」の34.5%とあわせると8割8分にも達している。市レベルでは「大いに役立つ」が32.4%とやや低いが、「まあ役立つ」の35.6%をあわせると6割8分となっている。

地域別では、中・四国地方において「役立つ」とする比率が高く91.3%になっている。次に高いのは九州地方の77.3%と北海道・東北地方の73.9%である。これに対して、関東地方では.「役立つ」とするものが50.7%と低く一またわからない」も39.0%と多くなっている。

人口規模別では、50万以上都市の85.7%、20万~50万(未)都市の84.8%が「役立つ」と答え、その比率か高くなっている。これに対して、10万~20万(未)都市では62.6%、10万未満都市では62.9%とやや低い。そして、10万~20万(未)都市では「わからない」とするものの比率が34.4%と高く、また、10万未満都市では「あまり役に立たない」と答えたものが10.2%と目立っている。

総じて、地域情報化による地域産業の活性化について多く述べられており、そこにおける情報化の果たす役割について大きな期待がかけられている。地域情報化の当面の意義はこの地域産業面に見い出される。しかし、これに比べて、地域生活や地域文化の面での活発化に関する貢献はやや少なく、具休的なイメージがいまなお明確化されていないといえる。

④ 提言・結論

現在、国に対していくつかの要望が存在している。全体において最も多いのは「費用の援助を」であり、70.2%と他をひき離して多くあげられている。次に多いのは、「人材の育成を」の32.2%、「明確な方針を」の30.2%、そして、「情報を多く」の24.4%である。都道府県レベルでは、「費用の援助を」が96.7%と圧倒的に多くなっている。次いで「人材の育成を」50.0%、「明確な方針を」が36.7%となっている。市レベルでは、「費用の援助を」が66.7%で一番多く、ほかに、「人材の育成を」が29.8%、「明確な方針を」が29.4%、そして「情報を多く」が25.4%となっている。

「情報を多く」の内容は、「情報をもっと多く」、「具体的事例を知らせてほしい」、「他市町村の動向を知りたい」などである。「費用の援肋を」の内容は、「情報基盤整備の財政援助」「補助金、融資制度の整備」などがあげられている。「人材育成を」の内容は、「情報化に必要な人材供給」「人材の派遣」、「専門家養成のための教育機関」などである。