報告書 巨大地震と東京都民
1987年3月1日発行
① 災害の概要:
予想される東京大地震
② 調査の内容
巨大地震時における東京都民の対応:東京23区内および多摩地区の1200名、調査員による個別面接法、昭和60年3月7日~14日、回収数(回収率):23区内771人(77.1%)、多摩159人(79.5%)
新宿地下街利用者の対応:地下街通行量調査、アンケー卜調査、新宿サブナード地下街、通行中の成人男女226人、面接・他記式、昭和61年3月23日、24日
都内大企業の防災対策:東京都内の700社、回答234社、郵送法、昭和61年2月1日~10日
③ 主な結果
巨大地震時における東京都民の対応:
地震への関心:「地震」の相対的関心度は東京23区で第5位、多摩南西部では第6位であった。
大地震に関する情報接触:大地震についての情報源は、「テレビ・ラジオ」や「新聞」といったマス・メディアが多く、次いで「県や市の広報紙・防災の手引き」となっている。
地震への不安:東京に大地震が発生するかもしれないと不安を抱いている人は6割弱である。
地震時に危惧する災害:第1位は「火災」であり23区内87%、多摩南西部83%に達していた。
地震時にこわい場所:「地下街」をあげる人が最も多く「地下鉄」、「エレベータ」も多かった。
日頃の防災対策:非常持ち出し品を「用意している」家庭が半数を超えていた。用意した非常持出し品は「壊中電灯」「救急医薬品」「乾パン・ミルク・缶詰など」となっていた。
東京大地震時における新宿地下街利用者の対応:
通行量調査:新宿サブナードの出入りを合わせた総通行量は、3月23日(日)は217千人、24日(月)は82千人であり、23日のほうが136千人も多く、2.6倍となっている。
地下街の地理習熟度:地下街の利用経験であるが、この地下街に来たのは「はじめて」という人は13%であり86%が「はじめてではない」と答えている。「ときどき来る」人が71%「ほとんど毎日くる」人が16%「1・2度来たことがある」人が12%となっていた。
利用目的:「買物」39%、「通り抜け」25%、「その他」12%、「仕事」11%。
地下街の危険性:関東大震災クラスの大地震が起こった場合、地下街の安全性を信頼している人は28%にすぎず逆に危惧している人が70%と圧倒的多数を占めていた。
都内大企業の防災対策:
事業所の災害環境:調査対象の事業所の過半数は「都心のビル密集地」に、約3割が「住宅とビルの混在地」に立地している。「都心の繁華街」にある事業所も1割弱で全体の9割が建物密集地帯に所在している。
防災体制・地震対策:防火計画(対策)を文書化している事業所は全体の約8割で、文書化されてはいないが防災計画を持つ事業所を含めると9割の事業所には防災計画が整っている。これまでに地震防災訓練を実施したことがある事業所は80.8%で、 2割の事業所では実施していない。
災害情報の伝達体制:「社内放送設備を利用し一斉放送で」伝達するという事業所が83%と圧倒的に多い。外来者(顧客や見学者など)対策としては、「避難させる」という事業所が73%とかなり多いが「決めていない」という事業所も23%いる。
④ 提言・結論
・ 事業所として地域の自主防災組織に加入しているところは47%であった。
・ 自社の防災対策が十分であると自信を持つ事業所は37%で、半数の事業所は防災対策になんらかの欠点なり不安を抱いている。