報告書 地震予知情報への対応

1979年8月1日発行

① 災害の概要:想定される東海大地震

② 調査の内容

住民アンケート調査:調査地域:清水市・袋井市、調査対象及び標本数:20才~69才の男女、1,650、標本抽出法:選挙人名簿より確率比例抽出法、調査方法:個人別面接調査法、調査期間:昭和54年2月21日~2月26日、回収数及び回収率:清水市897(回収率90.6%)、袋井市585(回収率88.6%)、

企業アンケート:調査対象:清水市で47施設,袋井市で21施設。その他,静岡市,浜松市の関連施設がそれぞれ1ケ所、有効回収率は84.3%,

③ 主な結果

住民の対応:

地震の知識,地震予知への信頼度:マグニチュードと震度については、約7割の人びとが正しく回答した。警戒宣言・震度階・判定会などのことを正しく理解しているひとは3割程度である

余地情報への対応:判定会が開催されたということで、過半数の人が地震が切迫していると受け取る傾向がある。警戒宣言が発令された場合、9割以上の人が何らかの行動を開始し、また、約7割の人が移動(帰宅、家族を迎えに行く、非難など)を開始するだろうと回答した。

地震への不安、被害予想:約4割の人が地震に対して不安を感じており、半数近くの人は自分の家屋や家族にある程度被害が及ぶと予想しているが、若い人ほどこの傾向が強い。

地震に対する日ごろの備え:地震について、6割程度の人は家族内で話し合わない。過半数の住民は懐中電灯など災害時の必需品の準備や、預金通帳などの非常持ち出し品の整理をしている。

行政への要望:車の使用や非難などについて概ね半数以上の人々が規制すべきだと考えている。地震の知識や備えなどについて行政の情報提供が不十分であると感じている人が多い。

事業所の対応:

病院:「大規模地震対策特別措置法」に基づいて「地震防災応急計画」の作成が義務づけられていることを認知しているが、これの策定は不十分であり、警戒宣言が発令されたときに対応についても明確になっている病院は少ない。

百貨店・スーパー:「不特定かつ多数が出入りする施設」として位置づけられ、客の非難などについてマニュアルが整備されつつあり、避難訓練なども行われつつある。

危険物を取り扱う事業所:大規模な事業所では、地震時について明確に取決め訓練もされており警戒宣言発令時の情報伝達や社員対応も準備されているが、小規模な事業所は対応が遅れている。

交通機関:「地方鉄道業その他一般旅客に関する事業」に指定されており、概ね「特措法」に基づいて防災計画、防災訓練、地震時の対応などが整備されている。

教育・福祉施設:「特措法」について認知度は低く、防災計画も「特措法」以前からのものを踏襲している。防災訓練なども行われているが、大規模地震を意識している施設は多くない。

④ 提言・結論

・予想される東海大地震について住民の意識は高く、不安を感じている人は準備をしているといえるが、実際の対策や行動について情報不足を感じている。

・行政の広報が不足しているというより、手法に工夫が必要である。

・各事業所において防災に対する意識は高くなっているが、経営に余裕がない事業所での地震対策は遅れている。