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東京大学 大学院情報学環 総合防災情報研究センター

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第33号(2016.09.01)

防災コラム

津波除けの祭祀

  宮古島市城辺砂川(うるか)地区では、毎年旧暦3月の最初の酉の日に、「ナーパイ」が行われている。「ナーパイ」は「縄張り」の方言であると言われており、海と陸の境界を明確にすることで津波を防ぐ意味を持つと言われている。
 当日、砂川・友利地区の人々は「ウイピャームトゥの祭場」に集まり、供え物を捧げ、祈祷を行い、供え物を食する。その後、男性達はその場に残り、船をこぐ動作の儀礼を行う。女性達は「ダティフ」(杖状の葉を落とした植物)を持って歩きながら、決まった場所でそれを置き、祈りや踊りを捧げながら海に向かう。浜辺では、豊穣を願って踊る。
 ナーパイの参加者は減少傾向にあり、地域役員を中心に行事が維持されている。祈りの言葉である「神歌」は、旧城辺町教育委員会によるテキストと、過去に録音された音声を頼りに口にされていた。いわゆる「文化伝承の危機的状況」にあると言っても過言ではない。しかし、2年連続で参加した限りでは、参加者に焦りのようなものは見受けられない。「津波が来たら困るから、ナーパイはやめられないね」というように、気負わず、日常の行事の一つとして組み込まれている様子がうかがえた。

画像

ナーパイの様子(2016年4月9日撮影)

定池祐季