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東京大学 大学院情報学環 総合防災情報研究センター

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第32号(2016.06.01)

防災コラム

埋もれていく復興の情報

 去る3月、2011年に発生した紀伊水害の復興状況を把握するため、田中センター長とともに和歌山県を訪問した。調査の結果、現地では施設整備を中心とした復興事業が順調に進められ、そのなかで過疎高齢化が進行する集落の維持をいかに図っていくかという点に焦点があてられていることが明らかとなった。
 復興情報の発信という面から考えた時、2011年の紀伊水害は、同年3月に発生した東日本大震災、翌年の2012年3月に発表された南海トラフ巨大想定へと報道が集中したことから、その被害に比して、必ずしも大きく取り扱われては来なかった災害である。
 改めて考えれば、紀伊水害に限らず、大規模災害からの復興が報じられる背後で、比較をすれば小規模となってしまうような幾つもの災害からの復興が、被災地外には伝えられないままに情報として埋もれていった状況が続いてきたように思う。これは送り手としてのメディアだけの問題ではなく、災害規模の比較によって事態の深刻さを判断しがちな我々、受け手にも問題があるように思われる。災害は1つ1つが異なる顔を持つと言われるが、その1局面である復興も災害ごとに異なる顔を持つ。復興の情報を埋もれさせないことが、こうした固有性を持つ復興の知見を社会に伝えるために、まずもって必要であるように感じた。

明治大学専任講師 小林秀行