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東京大学 大学院情報学環 総合防災情報研究センター

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特集:地震火災

災害情報研究会


 CIDIRの重要なミッションである「首都直下地震災害の全体像の把握」を目的に、2013年1月から災害情報研究会を随時開催してきた。このうち第5回までについては、ニューズレター第21号(2013年9月1日発行)で既報であるが、その後、表に示したように4回開催した。このうち8回と9回は今回の特集と関連するので、この2回を中心に紹介する。

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 第6回では天井落下について取り上げた。東日本大震災では九段会館等2000施設で天井が落下したとされる。講師の川口氏は、震度5以上の震災時には震度5以上の地域で天井落下が発生しているとともに、日常的にも発生している実態を紹介し、人命保護の観点から軽量柔軟な天井の採用等、対策を至急進める必要性を指摘された。
 第7回で取り上げたエレベーターの閉じ込めも、都市災害の懸念される事項の一つである。東日本大震災では、大手5社が保守しているエレベーターで、北海道から愛知県までにかけて210件の閉じ込めが発生している。講師の道藤氏からは、大手事業者として、2008年からの広域災害対策室の設置、BCPへの取り組みの強化に加え、通信手段や管理システム等の強化や訓練による検証など、各種取り組みの紹介があり、既設エレベーターの耐震強化などの課題が提示された。
 天井落下対策に関しても新たな国の指針が出されたが、天井落下対策、エレベーター閉じ込め対策ともに、制度ができる前の建物や設備には対策が遡及しないため、大量の既存不適格が残るという問題がある。
 今回の特集と関連する「地震火災」については、第8回と第9回に分けて講師による話題提供と意見交換を行った。
 第8回では秦氏は、従来型火災の65%を電気火災が占めており、そのうち4割が電熱器であったこと、停電していない地域でも多数の電気火災があったこと、500㎡を超える延焼火災がなかったことなどを指摘した。関澤氏も、地震に起因する住宅用途の火災原因の51.9%が電気火災であったとしている。また、火災1件当たりの出動ポンプ車が1台を割ると、延焼火災となっていることなどを紹介し、消防の第一義的役割として、初動時における初期火災鎮圧であると指摘し、消防力の運用を効率化、最適化する必要性を提唱した。また、地域の防火能力を高めるためには設備が必要であること、広域火災からの逃げ惑いを防ぐためには避難誘導体制の整備が求められることなどを提言している。
 続く第9回で室崎氏は、これまでの地震火災を踏まえ、東日本大震災も含めて震度6強以上の地域では1万世帯あたり1-3件の火災が発生していること、また火災は揺れの大きさに左右され、倒壊するか否かならびに木造か非木造かに関わらず発生する実態を指摘した。その上で、阪神淡路大震災では、非木造の出火率が木造よりも高かったことを示し、超高層ビルや地下街火災、危険物火災などの「新しい型の火災リスク」への対応が必要であることを指摘した。
 いずれの回も意見交換では、「感震ブレーカ」や「復電火災」対策といった出火源対策を中心に熱心な議論がなされた。

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(田中 淳)