newsletter19号テキスト5

東京大学 大学院情報学環 総合防災情報研究センター

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CIDIR Report

CIDIR災害意識定期調査にみる地震・津波意識

 2012年には、5月に突風等でつくば市ほかで死者3名を含む、大きな被害が発生した。また、2011年11月から2012年3月31日までの雪にともない113名が亡くなった。また、災害情報という面では、南海トラフ巨大地震津波の被害想定など被害想定結果が相次いで発表された年でもあった。想定外を防ぐという東日本大震災の教訓から実施されたものだが、防災対策面でどのように活用すべきか多くの議論をよんだ。
 それでは、国民は、これらの災害や被害想定をどのように受け止めていたのであろうか。東京大学大学院情報学環附属総合防災情報研究センター(CIDIR)が実施した定期調査から、その動向を見てみよう。この定期調査は、災害情報の認知度や防災意識の動向を把握することを目的に、全国の20歳から69歳までの男女3,000サンプルを対象としたWEB調査で、2012年12月に実施したもので、今回は4回目に当たる。
 まず、日常生活の中で不安を感じる対象としては、「年金や社会保障」(81.4%)や「景気動向」(79.70%)が4回の調査を通じて、常に高い。これに対して、自然災害は昨年に引き続き3番目にあげられており、71.2%と高い水準を維持している。2011年調査では、10番目から4番目に急上昇した「原子力事故」は、今回は11.1ポイント下げたものの、自分や家族の「健康」(67.0%)に続く、「交通事故」(59.2%)や「新型インフルエンザ等の感染症」(58.9%)と同水準の58.7%であった。
 自然災害の中では、地震に対する不安が85.9%と最も高い。ついで、竜巻が40.9%と昨年よりも10.5ポイントあげ、40.9%と、津波と同水準となった。5月に発生した竜巻災害の影響がみられる。
 2011年に2番にあがった津波は、3.6ポイントと若干下げ、40.5%となった。図1に、前回2011年と今回2012年の不安の程度を地域別に比較した。九州・沖縄と関東、中部では2012年末の方が前年よりも不安は高まっている。このことは、被災体験というよりも、その後の危険性の指摘が影響している可能性がある。しかし、四国は前回よりも下がっている。前年の不安が極めて高い水準にあったため、今回の不安水準が下がったと言っても、九州・沖縄を若干下回る程度である。
 いずれにせよ、沿岸部の津波意識を詳細に調べているわけではない今調査からだけでは単純には結論を出せないが、問題意識と共に、ひとつの結果として報告しておきたい。
* なお、本調査はライフライン・マスコミ連携講座寄付金による。

図1 地域別に見た地震・津波への不安の変化
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(田中 淳)