newsletter23号テキスト1

東京大学 大学院情報学環 総合防災情報研究センター

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東日本大震災から3年

CIDIR定期調査にみる東日本大震災

 総合防災情報研究センターでは、災害情報に関連する住民意識の基礎的動向を把握するために、2008年から1年ごとに調査を実施してきた。調査はweb調査であり、全国を対象に、2008年から2010年までは2000人、2011年からは3000人を都道府県単位に人口比例配分している。調査時期は各年12月末で、今回だけ2014年1月初頭に実施した。(以下、2014年1月の今回調査を2013年と表記している。)
 その結果から、今回は東日本大震災が与えた災害への不安度に関する変化と、大震災への風化の指標として、話題に上った率の変化を紹介する。
 まず、東日本大震災が与えた災害への不安度に関する変化について、図1に、発生から9ヶ月後の2011年末時点での調査結果と前後の2年間の推移を示した。最も大きく変化したのは、原子力事故への不安である。東日本大震災前の2009年と2010年には35%と不安の程度が低かったものが、2011年には69.8%まで跳ね上がった。それが、1年後の2012年には58.7%へと10ポイント以上低下した。それが、2013年には55.4%と不安の程度はさらに低下したものの、低下の程度は小さくなり、依然として過半数が不安を感じている。

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図1 日常生活を脅かすリスクへの不安の推移

 自然災害への不安は、2010年には59.3%と最も低く、2011年には
72.0%まで高まった。それが、2012年には71.2%、2013年には69.8%と若干は下がっているものの、高い水準にある。自然災害の中では、地震災害への不安は一貫して高く、2011年には87.7%と高いものの、2009年でも87.0%が、この2年間も85%程度の人が不安としている。これに対して、津波は2009年の22.4%、2010年の23.6%から、2011年には44.1%まで上がった。それが、2012年には40.5%と3.6ポイント下げたが、今年は40.8%と下げ止まっている。
 災害への不安という面でみると、東日本大震災で不安と感じる人は増加し、2012年には若干下がったものの、2013年にかけては下げ止まり、震災前よりも高い水準を維持している。

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図2 東日本大震災を話題にした率

 それでは、東日本大震災への関心はこの間にどう変化したのであろうか。図2は、東日本大震災を「最近、話題にした」人の比率の推移を地域別に示したものである。全般に、年を追うごとに、話題にした人の比率は下がっているが、2011年の88.3%を1とした比率でみると東北地方と北海道はいずれも0.95と大きくは減少していない。他方、中国地方は0.72と大きく減少させ、中部、近畿、四国でも0.77程度と減らしており、東高西低の傾向がみられる。もちろん、話題率だけで、東日本大震災への関心の低下を推測することは難しい。ひとつの指標としてみながらも、他の客観的指標と合わせた包括的な分析が必要とされる。

 (田中 淳)